「地域研究A」という授業の一環として、今年も沖縄戦跡ツアーを実施しました。台風10号が迷走する中、果たして行けるのか、行けたとして帰ってこられるのか、ハラハラ・ドキドキの4日間でしたが、結局何の影響もなく実施することができました。戦争のニュースが日常的になってしまった現在、戦争と平和について考え行動することがかつてなく重要になっています。
大いに学び、大いに遊んだ4日間の記録をご覧ください。
沖縄の戦跡を巡る（8月26日、27日）
沖縄戦跡ツアーは3泊4日で行われ、最初の2日間は沖縄戦の跡をめぐり、後半2日間は自由行動です。
嘉数高台から沖縄戦と沖縄の今を学ぶ（1日目）
嘉数高台公園の展望台にのぼると、沖縄戦のときに米軍が上陸してきた海岸線から、激戦となった高台まで一望にすることができます。今年も展望台にのぼって、・・・と思ったらなんと展望台は工事中！ 今年の2月に来た時も工事中だったのですが工期は3月までと書かれていたはず。建材の値上がりや人手不足があるのでしょうか、現在も工事中で入れませんでした。
展望台近くの道から見ることになったので、ちょっと見づらかったですが、それでも沖縄戦の状況を知るには十分の展望でした。授業で、読谷、嘉手納、北谷に米軍が上陸し高台での激戦を経て第32軍司令部があった首里城が陥落したことを学んでいたので、今回は場所を示しながら解説しました。
嘉数高台公園は、米海兵隊の普天間飛行場を一望できることでも有名ですが、展望台にのぼれなかったため、飛行場はちょっとしか見えませんでした。
夜は国際通りで交流会
今回の参加者は学内であまり接点のない学生たちもいるため、親睦を兼ねた交流会を開催しました。お店は一見観光客相手といった感じで、あまり期待していなかったのですが、店内は観光客と地元の方が半々くらいで繁盛していました。料理も美味しくたくさん出てきて、おなかの具合がちょうど良いころに三線ライブが始まり、沖縄の文化にも触れることができました。ちなみにお店は、沖縄料理「ちぬまん」国際通り久茂地店（くもじてん）というところです。お勧めです。
とにかく4日間いろいろなものを食べました。写真は、4日間の食べ物特集です。
沖縄戦の跡をたどる（2日目）
午前中は読谷のチビチリガマ、シムクガマの2つを見学。今年も地元でただ一人のガイドである知花さんにお話をうかがいながら現地を案内してもらいました。ガマとは自然の洞窟のことで、沖縄戦時に多くの人が逃げ込んでいたチビチリガマとシムクガマでは全く違った結末を迎えました（詳しくは昨年度の記事をご覧ください）。
昼からは実際の沖縄戦の跡を車でたどりながら、夕方には沖縄戦最後の地である南部戦跡に到着しました。ひめゆり平和祈念資料館や平和記念公園・平和の礎などを見学し、当時の学生たちが戦争に動員され殺されていった現実を学びました。
昨年度とは違うコースでしたが、一日かけて沖縄戦の歴史と平和の大切さを学びました。台風が迷走し沖縄に接近しそうでしたが、予定通り全ての施設や戦跡を回ることができました（ちなみに、2017年の沖縄戦跡ツアーは4日とも荒天に見舞われホテルから出られませんでした）。
自由行動（8月28日、29日）
3日目、4日目は自由行動。特に何も考えていませんでしたが、「泳ぎたい」「美ら海水族館に行きたい」という意見が多かったので、3日目は全員で車に分乗して行動しました。台風接近で閉鎖しているビーチもありましたが、実際には晴れ間が見える天気で風もそれほど強くなく、営業しているビーチもたくさんありました。学生たちは泳いだり海岸で遊んだり、バナナボートに乗ったりと沖縄の海を満喫していました。午後は美ら海水族館に向かったのですが、本部半島まで行くと南部とはまた違った光景で、いろいろな沖縄を感じることができました。
最終日は各自自由行動。国際通りでお土産を買ったり、南城市の方まで観光したりと、思い思いに過ごしていました。心配だったのは帰りの飛行機。ネットでリアルタイムで情報を見ていたのですが、欠航こそしないものの全便2～3時間遅れて出発しており、このままだと羽田につくのが24時くらいになってしまい東京に着いても家まで帰れないということになってしまいます。いっそのこと欠航してくれれば諦めて延泊するのにと思いながら、ハラハラしていましたが、どういうわけか私たちが乗る便だけ定刻通り出発し定刻通り羽田につきました。
台風でどうなることかと心配していましたが、4日間とも天気に恵まれ交通機関の乱れもなく、有意義な日を送ることができました。学生たちもここで学習したことが単なる知識としてだけでなく今後の人生に様々なかたちで活かされることと信じています。
